東映YouTubeで配信されていた仮面ライダー剣が最終回を迎えましたので今回は全体を通しての総括を
仮面ライダー剣はトランプがモチーフということで4人のライダーがおりそれぞれに運命のカードが配られました。4人のライダーは対立、裏切り、別れという数々の試練を乗り越えまた時には新たな出会いや共闘を経てライダーとアンデッドとの戦いはさらに加速していきました。そこでそれぞれのライダーの軌跡を追ってみましょう。
まず最初は仮面ライダーギャレンこと橘朔也、彼は最初は自らの恐怖心から融合係数が下がりまともに戦える状況ではなくなってしまいますがピーコックアンデッドの化身である伊坂によって戦う力を得ますがそれは偽りの力でしかなくこのままでは身を滅ぼすと危惧した橘さんの恋人である深沢小夜子は伊坂の手によって殺されてしまいそこでようやく橘さんは真に恐怖心を乗り越え伊坂を封印しましたが完全復活には至らず一度ギャレンバックルを烏丸所長に返却しています。しかしかつてのギャレンの装着者候補であった桐生豪が現れたことで橘さんは完全復活を果たし間違った力の使い方をしている桐生豪を止めようとします。その後は仮面ライダーレンゲルに変身する上条睦月のコーチをしたりアンデッドハンターを名乗る新名と共にブラックファングを完成させるも実は新名はウルフアンデッドでまんまと利用されていたり剣崎を止めるために広瀬義人に協力するも実は彼の野望に加担させられていたりとやたらと橘さんは誰かに騙されて利用されていたりしました(もっとも広瀬義人の場合は彼自身も天王寺博史の野望に利用されていただけでしたが)さらに橘さんは仮面ライダーカリスに変身する相川始の正体が53番目の存在であり全てを滅ぼすアンデッドであるジョーカーであることを知ってからは始を危険視して何度も始を封印しようとしてその度に剣崎と対立したりもしました、しかし最後には始を信じる剣崎を信じてただ一つ残された仲間のためにギラファアンデッドと戦い封印するも消息を絶ってしまいます(後に生きていることが判明)
続いて仮面ライダーレンゲルこと上条睦月、彼は普通の高校生でしたがスパイダーアンデッドの毒蜘蛛によってスパイダーアンデッドに適合者として目をつけられ伊坂が開発したレンゲルバックルで仮面ライダーレンゲルに変身するとスパイダーアンデッドの邪悪な意思に支配されて他のライダーと激しく対立することになります。実は幼い頃に誘拐されて狭いロッカーの中に閉じ込められた経験がありその頃のトラウマをスパイダーアンデッドに付け込まれていましたが橘さんのコーチによって一時的にスパイダーアンデッドの邪悪な意思を抑えることに成功しましたがもっと強くなりたいと思うようになると再びスパイダーアンデッドの邪悪な意思に支配されて一時はスパイダーアンデッドの呪縛に完全に囚われてしまいます、しかし2体のアンデッドによってスパイダーアンデッドの呪縛から解放され見事スパイダーアンデッドを完全封印した仮面ライダーレンゲルはようやく真の仮面ライダーとなることが出来ました。その後はケルベロスやダークローチを相手に奮戦する姿も見られました。
ここで睦月をスパイダーアンデッドの支配から解放した2体のアンデッドについても触れておきましょう、まず一人目のタランチュラアンデッドの化身である嶋昇はチベットで烏丸所長と出会い共に現代のバトルファイトの謎を解明しようとしており烏丸所長から渡されたラウズアブゾーバーを手に日本へ渡り剣崎に何のために戦うのかを問い改めて自分が何のために戦っているかを見つめ直した剣崎にラウズアブゾーバーを手渡し仮面ライダーブレイドジャックフォームにパワーアップさせます。その後はスパイダーアンデッドの邪悪な意思に支配された睦月を救うためにわざと封印されて内側からスパイダーアンデッドの呪縛から解放しようとしますが一人ではどうにもならずスパイダーアンデッドの支配を許してしまいます、しかし同じく睦月に封印されたタイガーアンデッドの協力もありさらに睦月がラウズアブゾーバーを使用したことでようやく嶋さんは真の力を発揮してスパイダーアンデッドと対決することになりました。二人目のタイガーアンデッドは自らの種を地球の支配者にするためにバトルファイトに命を賭けている誇り高き戦士で卑怯な行いや無駄な殺生を嫌いカードに頼ったりカードからアンデッドを解放して命令する睦月のやり方を最低な戦いと罵倒していました。その後は睦月に興味を持ち彼のアジトに潜伏していましたが睦月のガールフレンドである山中望の作ったおにぎりを食べて人の優しさにも触れ、現代のバトルファイトが仕組まれていたことを知って絶望したりもしましたが最後は嶋さん同様睦月にわざと封印されて睦月が真の仮面ライダーとなるのに一役買ったりもしました。この事から橘さんからも不思議なアンデッドだったと評されました。
続いて仮面ライダーカリスこと相川始、始は元々人間ではなくアンデッドの中でも最強の存在であるジョーカーだったのですがかつてのバトルファイトの勝利者であるヒューマンアンデッドを封印して人間に変身し相川始と名乗るようになってからはジョーカーとしての自分を忌まわしく思うようになります。さらにギラファアンデッドとの戦いに巻き込まれて死亡した栗原晋に自分の家族を託された始は写真を頼りに妻の栗原遙香が営む喫茶店ハカランダに住むようになり一人娘の栗原天音に父親のように慕われることになり始も栗原家の人間を家族のように想うようになります。初期は本能のままにアンデッドを封印しアンデッドは全て敵だと考えていた剣崎や橘さんと対立していましたがやがて剣崎と熱い友情を結ぶようになり次第にジョーカーとしての自分を抑えられなくなると剣崎に救われてなんとかジョーカーの本能を抑え込んだりしました。しかしバトルファイトの勝利者となって世界の滅びが始まるともはやジョーカーとしての自分を抑えられなくなり剣崎に封印されようとしますが剣崎がとった行動によって始は人間達の中で生き続けることになりました。
そして最後は仮面ライダーブレイドこと剣崎一真、彼は幼い頃火事で両親を亡くしてそれ以来誰かを助けたいと考えるようになりBOARDに入って仮面ライダーとなり人間を襲うアンデッドから人々を救う仕事に就きます、しかし一夜にしてBOARDは壊滅しさらに家賃滞納でアパートを追い出された剣崎はBOARDの職員だった広瀬栞と共にルポライターの白井虎太郎の家に仮面ライダーの取材を条件に居候することになりアンデッドと戦うことになります。最初はBOARDを裏切ったと思い込んでいた橘さんやアンデッドである始と激しく対立しましたが次第に始と友情を結び橘さんとも誤解が解けて再び共に戦う仲間となりました。やがて13体のアンデッドと融合したキングフォームの力を手に入れるとアンデッドになりかけてしまいますが始の励ましでなんとかアンデッドになることを阻止しました、しかしジョーカーがバトルファイトの勝利者になり世界の滅びが始まると剣崎はダークローチとの戦いでキングフォームを酷使してジョーカーを封印するために始に戦いを挑みます、しかし戦いの途中ダークローチは全て消え剣崎からは緑の血が流れていました、なんと剣崎は完全にアンデッドになってしまったのです!!始を封印すれば世界は救われますが始を封印したくない剣崎は自らもう一人のジョーカーとなってバトルファイトを継続させ世界を救ったのです。そして剣崎は皆の前から姿を消して運命と戦い続ける道を選びました。
こうしてみると仮面ライダー剣という作品は4人のライダーの群像劇だったことが分かりますね、全体的な流れとして剣崎と始の友情の物語がありさらにサイドストーリーとして橘さんと睦月の物語が展開されました。印象としては剣崎と始が友情を築く話が全編に渡って展開され橘さんの話は初期に集中して後半は睦月の話が軸になっていた気がします。ところで仮面ライダー剣には小説やドラマCDで後日談が描かれたり後の作品で客演したりもしました、中でも仮面ライダーディケイドに登場した剣崎はかつての性格とは全く異なっておりディケイドを世界の破壊者として排除しようとします。この件に関しては様々な議論がありますが私個人の見解としてはあの剣崎はTVシリーズの剣崎であると思われます、アブゾーバーを使わずにキングフォームに変身したことがジョーカー化した剣崎である何よりの証拠ですし性格が変わってしまったのは仲間達から離れて一人彷徨っているうちに色々と心境の変化とかがあったんでしょう。というわけで以上をもちまして仮面ライダー剣の総括を終わります、最後までご覧いただきありがとうございます。